「過集中」という言葉をご存じでしょうか?簡単に説明すると、何時間でも何日でも、過度に没頭し続ける状態のことです。

ADHDにとって、興味があることに積極性が増すのはよくあることです。しかしその反面、度を過ぎた集中を引き起こしていることも多々あります。

過集中には良い事もありますが、そのぶん体にかなりの負荷がかかっているので、要注意です。

トータルで考えるとあまりよろしくないように思いますが、捉え方は人それぞれです。ただ、集中する場面を自分で管理することが出来ればこれほど頼もしいものはないと思います。

今回はそんな過集中のメリットとデメリットを交え、対応策をまとめていきます。

1.メリット

・何時間も取り組める

何時間どころか何日でも、可能な限り続けることができます。本人が興味を持てば、同じ作業の繰り返しでも構いません。

読書、掃除、DIY、スポーツ等々。分野は様々ですが、どれも飽きることなく、ただただ取り組むことが出来ます。また、それに付随する内容に関しても同じ集中力を発揮することができます。

・時間を短縮して完成させる

集中している間は普段以上に実力を発揮できる、という経験がある方も多いと思います。その集中がより強力になったのが過集中なので、通常より短い時間で作業を終わらせることもあります。

・専門的になれる

のめり込んでいる分野によっては、極めることで専門的になることも可能です。将来の進路に取り入れる方もいらっしゃるので、研究職や職人といった活躍も期待できます。

興味を持った物事に特化するということで、特技として磨くこともできるかと思います。

2.デメリット

・生活に支障が出る

没頭している間、他のことは一切手を付けられないのが過集中です。私生活であれば、睡眠や食事をしないままというのも珍しくありません。

例え仕事であっても、休憩や他の業務を放り出してしまうということがあります。

また、健康面での影響が出ているのに、本人が気づかないということが多々あります。これを放置すると、後々に危険へ繋がってきます。

何日も手元の作業しかしないという状況が続けば、体は疲れ切ってしまいます。ところが、それを気にも留めないほどにのめり込んでしまうのです。

・反動が出る

過度の集中により、その後しばらくは何もできなくなることがあります。虚脱、と言いますが、これはそれだけ体に負荷がかかっている証拠です。

普通に集中している状態でも、集中が切れた時には脱力感や疲労感を感じると思います。それがより強くなる訳ですから、さらに強力な反動が押し寄せます。

・依存しやすくなる

例えば、ゲーム。のめり込みすぎて廃人、という話を聞いたことがあるかと思います。

過集中がきっかけで、それをしなければ生きていけないというレベルまで入り込んでしまい、結果依存しやすい状況になってしまうことも。

または、他の何かをしていてもずっと頭の中はそれだけ考えているということにもなりかねません。四六時中そうなると、依存していることも気づかない場合があります。

とにかく困るのが、自分自身では気づきにくいということ。集中していることも、依存していることも、判断できないことがあります。そうなると、生きるために必要なことが疎かになりがちです。

集中することは悪いことではないのですが、限度を設けないと大変なことになります。

3.コントロールするには

・どれくらい時間が残っているのかを確認する

自分一人だけで何とかしようとするならば、これがオススメです。

今何時なのかを確認する、というよりは、終了まで残り時間がどれくらいなのかを把握する方が良いです。

集中している時、例えそれが深夜の2時や3時だとしても、時間の確認だけなら「ふーん」で終わってしまいがちです。なので、就寝までにあと何時間しかないと捉える方が中断はしやすいかと思います。

更に言うなら、1時間ごとにタイマーをセットすると把握もしやすいかと。

・強制的に止めさせる

誰かの手を借りられそうなら、横から取り上げてもらうのも一つです。

それぐらいしないと止められないほど没頭している場合、まず自分の判断で止めることは困難です。そして大体の場合、取り上げられた方は感情的になるかと思いますが、誰かの手を借りるなら予め一言添えておく事も必要です。

もしくは、仕事であれば次の作業予定を入れておく。一つの作業にそれほど時間をかけられないように段取りをしておくと、過集中になっていても切り上げやすくなります。

・パターンを作る

殆どの場合、過集中は興味を持ったことに起こります。その反面、興味を持たないことにそれだけの集中力を発揮するのが困難です。そういった場合でも取り組めるようにするには、パターンを作ってしまうのがオススメです。

没頭する時と、止めなければいけない時。この二つに、それぞれ別のアクションを組み込んで習慣化する。これが慣れれば、多少なり過集中のコントロールもしやすくなるはずです。

・集中力を弱くする

過集中が起こりそうなとき、深入りできないような状況を作ってみるのも手です。

ヨガのポーズを取ったり、音楽を聞きいてみたり、テレビを見ながら等。あえて手元を意識しにくい状況で取り掛かると、切り上げやすいと思います。

ただ、思ったように集中できないというストレスにもなりかねないので、ほどほどに遮断できるものの方が良さそうです。

以上が、メリットとデメリット、そして対応策です。

過集中が起きるのは、ストレスが溜まっているサインでもあります。

一か月の中の3~4日、連続ではなく単独で、息抜き程度に。というのであれば趣味のようなものです。ただ、過集中を起こす対象を仕事に選ぶのであれば、このコントロールはかなり重要です。

碌な食事もせず、十分な睡眠も取らず、何日も没頭し続ければ体にとって悪影響でしかありません。際限なく没頭するあまり、体調不良を起こしても気づかずそのまま・・・なんていうことになりかねません。

できるだけ自分自身を守る為にも、何でも良いので、目処をつける隙を作りましょう。

その際、ある程度で構いませんので過集中から抜けられるように気持ちを宥めることができれば、とりあえず一安心です。次に繋げるためにも、最良のパフォーマンスで臨む為にも、意思を持つことが大切です。