1.ストラテラについて

@ストラテラとは?

正式にはアトモチセチン塩酸塩という名称です。コンサータと呼ばれるメチルフェニデートに続く、国内では2番目のADHD治療薬です。

元々は18歳未満にのみ用いられていましたが、2012年より成人にも適用が可能となりました。

即効性はありません。その為、効果を実感するには長い目で見る必要があります。大体の所では、服用開始から2週間ほどで効き目があらわれ、1ヵ月半を過ぎた辺りから薬効の安定が見られると言われています。

成人で最大120mgまで摂取が可能なので、効き方や体調に合わせて増減させます。

脳内で必要以上に吸収されてしまうノルアドレナリンを増加させることにより、不注意・多動・衝動のそれぞれの症状の改善へ向けて調整していくのが大きな目的です。

どちらかと言えば、多動よりも不注意が強い方に勧めされることが多いです。

@コンサータとの違い

  • 即効性がない
  • 依存や乱用の確率が低い
  • コンサータが12時間の持続時間であることに対し、1日中効果がある。また、飲み忘れても1日程度であれば多少の効果が感じられる。
  • 特定の医師でなくとも処方できる

大まかな違いとしてはこのあたりです。認可のおりた医師でないと処方されないというわけではないので、コンサータに比べてある程度は病院を選べるという利点もあります。

2.副作用

@重度の副作用(服用を中断するレベル)

  • アナフィラキシーショック
  • 黄疸
  • 肺機能障害
  • 口腔内や喉の腫れ

@注意が必要な副作用(経過を見て対策をするレベル)

  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 動悸
  • 睡眠障害

これらの他にも副作用の症状はいくつかあります。

薬を服用するという上で、副作用はあってもおかしくはないということが念頭にあると、後が楽だと思います。ただ、飲まれる方によって反応の出方がまちまちなので、飲んでみないことにはわからない部分もあります。

普段のときとは何か違うことが起きたら、重度の反応やあまりにもおかしいと感じる場合を除き、メモを残して様子を見ておくと次回の診察時がスムーズになります。

薬の容量や、その時の体調によっても左右されるのが副作用の症状です。昨日は何ともなかったのに、ということも充分にあり得ます。

逆に、慣れてしまえば副作用が落ち着くということもあるので、続けるか否かの見極めは医師とよく相談の上で決めることをオススメします。自分の判断で断薬や増量を行うと、体調を崩すおそれがあります。

3.副作用に振り回される

@二次的な影響

ストラテラを服用することになったとして、続けていくとなった場合。よほどのことが無ければ、1ヵ月やそこらで終わることはありません。大抵の場合、年単位に及びます。

その際、例えば食欲不振という副作用があったとします。

治療開始以前よりも食欲が落ち、食事の量が減る等しても放っておいたとします。そのまま、まともに食事を取らなかったとなると、まず栄養不足に陥ります。

更に、内臓の動きが弱まり免疫力が落ちていきます。体重の減少に加え、体力や筋力の低下といったことを招き、疲労を蓄積しやすい体になっていきます。酷ければ栄養失調にもなりかねません。

疲労状態にある、というには判断も鈍くなります。薬効を感じにくくなったり、薬の効き目が弱くなるということも。

或は睡眠障害があったとします。

脳に働いてもらう為の薬を飲んでいるのに、休息を与えることが出来ないままでいると、脳は疲弊していくばかりです。延々と走り続けているようなものです。

普段の生活の中でも、睡眠時間が充分でないと集中できずにボンヤリしたり、苛々して感情的になってしまう、といった冷静になれないことがあるかと思います。

思い通りにできないことや、ミスが増えて悪いことに意識が向かいがちになってしまうので、折角の投薬治療も無意味に感じてしまいがちです。

こういった副作用に振り回されると、肉体的にも精神的にも不健康になりやすくなります。

@振り回されないために

それぞれの作用に対する対策が必要となってきます。多くの場合、現状の生活スタイルに何らかの変化を取り入れることになります。

といっても、大したことではありません。眠れない、というのであえば日中のどこかで睡眠時間を確保するか、スムーズな入眠の準備を整えるというような内容です。

ただし、時間がかかることを前提として考えた方が、気持ち的には楽だと思います。

最終的には薬に頼るのも大切ですが、まずは出来そうなことからやってみるのをオススメします。

出来そうなことに挑戦する、という過程で薬効を実感出来ることもあるからです。「食欲はないけれど、これ作ってみようかな?」という時に「あれ?こんなことができるようになってる!」に繋がることもあるかもしれないからです。

副作用に振り回されて苦しいことも辛いこともある中で、どうせなら副作用を通じて薬効の実感へ繋げてしまいましょう。良い事も悪い事も、きっと新しい発見があると思います。

4.思っている以上にわからないこと

残念なことに、ストラテラは万人に合う薬ではありません。合わない・効果がみられない為、ストラテラを使わない治療方法を選ぶ方々も少なからずいらっしゃいます。

たとえストラテラの服用を選択したとしても、飲むだけでADHDの症状が改善されるというものでもありません。

薬はあくまで土台のようなものです。そこから上に何を築き上げていくかは、本人次第です。そこに副作用も加わってくるとなると、ADHDと副作用、両面の対策を同時進行で進めなければならない可能性もあります。

始めのうちは慣れない副作用や薬効に戸惑うこともあるでしょうし、出来ることが増えたとあれもこれもに手を出した結果、無理をして体調を崩すといったこともあると思います。

そういった中で自分自身を振り返ってみた時、自身の変化というのは思っている以上にわかりにくいものです。

本当にちゃんと効いているのだろうか、と不安になったのであれば、自分以外の人に聞いてみるのが一番です。見ていないようで、変化に敏感なのは自分よりも他人だったりします。

ただ、できれば毎日会う人よりは間隔を空けて会う人の方がいいかもしれません。その方が、相手も変化に気づきやすいのではないでしょうか。

自分の変化を誰かに教えてもらう、というのは自信やモチベーションに良い影響を与えてくれます。他者との交流を経て、副作用や自分自身と上手く付き合っていく道が見つかるきっかけになればと思います。